日別アーカイブ: 2018年12月10日

聖書と虐殺  #24

旧約聖書は残虐非道な虐殺の「記録」でもある。私はそのことを知らなかったので、カナンの征服が描かれた「申命記」や「ヨシュア記」の辺りまで読んで気持ち悪くなり、先に進めなくなった。ユダヤの人々は、無人の荒れ地を飢えや内紛に苦しみながらさまよい、やはり無人の「約束の地」を発見して開墾、定住したのかと思っていた。

「約束の地へ」という美しい歌(作詞作曲:保浦牧子)がYouTubeにアップされている。https://www.youtube.com/watch?v=o6zgjJy-Sog 私の抱いていた苦難の旅のイメージにぴったりで、何も知らずに聞いたら感動したところだ(知った上で聞いても、いい歌)。しかし、実際に聖書に描かれていたのは、神に導かれるまま次々に先住民を滅ぼしていく好戦的な部族の姿だった。

預言者モーセに率いられた彷徨えるイスラエル人たちは、行く先々の先住民と戦っては皆殺しにしていく。滅ぼし尽くせ、あわれみを示してはならない、と神が命じたのだ。ところが、ミディアン人との戦いで、戦闘部隊は「男子を皆殺しにした」ものの女子供は捕虜にした。するとモーセは怒って、「子供たちのうち、男の子は皆、殺せ。男と寝て男を知っている女も皆、殺せ。女のうち、まだ男と寝ず、男を知らない娘は、あなたたちのために生かしておくが良い」と命じた(民数記。聖書の引用は、すべて新共同訳による)。 続きを読む