久しぶりの更新

 右の黒い物体は私の黒曜石スマホ

ほぼ2週間ぶりにレワニワ図書館サイトの更新をしました。前回、スマホ導入の余波について書きましたが、その後もサイトの方になかなか頭が向かいませんでした。元々、複数の仕事を並行して行うマルチタスクが苦手だったのですが、それがさらに昂進し、今では完全なシングルタスク脳になってしまったようです。

サイトの更新は「レワニワ瓦版」の新記事です。タイトルは「コピーガードは破られず レワニワ図書館会見」(<続きを読む>の下は瓦版と同じ記事です)。前回、コピーガードについて触れたところ、頭の中で「物語スイッチ」が入ってしまったようでもあります。

記事は、その後の展開を予告するような終わり方になっています。これは単なる筆の勢いで、ストーリーの続きを考えているわけではありません。レワニワ図書館の開館後、サイト自体が物語的な創作物なのかもしれないと思い始めていて、数日来、それは確信に変わりつつあります。

 

コピーガードは破られず レワニワ図書館会見

レワニワ図書館はアイオワ州デモインにある北米本部で記者会見を行い、同図書館蔵書のコピーガードを破ったとするハッカー「ムイシュキンX(MyshkinX)」の発表を公式に否定した。

声明によれば、ムイシュキンXが同図書館のシステムをハッキングしてネットに公開したとする故ライアン・クードゥー(Ryann KuuDoo)氏の小説「黒曜石のマスクの下で(Under the Obsidian Mask)」は、実際に図書館に収められている同題の作品とは別物とのことである。

記者会見では、ムイシュキンXがネット上に公開した作品と、同図書館に収められている同作が比較され、両者が別物であることを明らかにされた。両者は一見したところ同一のように感じられるものの、Xが公開したものは、実際には多くの文章が改変されていた。

広報担当者は「不注意な人は気づかないかもしれないが、小説を読み慣れた読者にとって、ムイシュキンXが公開したクードゥー氏の小説と称するものは読むにたえない」と述べた。

記者から「ムイシュキンXは紛い物と本物との区別がつかないということか」との質問がなされたが、担当者は「憶測は差し控えたい」としてコメントしなかった。一方で、「この事例はレワニワ図書館のコピーガードが破られておらず、十全に機能している証しである」と言明した。

ネット上では、レワニワ図書館の蔵書を不正にコピーしようとすると原作に似た「紛い物」にすり替えられるのではないか、との推測が流れている。これに対して、同図書館は「我々のコピーガードシステムについては、これまでも、これからも一切明らかにしない」と述べるに止めた。

ムイシュキンXは、ハッキングした「作品」を公開するにあたり、レワニワ図書館が「作家、編集者、出版社、書店からなる共同体」を破壊するものと非難し、そのシステムの欠陥をつくサイバー攻撃を行うことで解体に追い込むと宣言していた。

一方、クードゥー氏は生前、ネット図書館にこそ文学の未来があるとして、自身の作品の殆どをレワニワ図書館で公開していた。このため、レワニワ図書館批判派から敵視され、ムイシュキンXも、同氏の作品は攻撃の対象になると予告していた。

文芸批評家、須賀藤江氏談「レワニワ図書館の会見は、ムイシュキンXの図書館への攻撃が失敗だったと決めつけただけでなく、公然と恥をかかせるものだ。ムイシュキンXが、これにどう反応するのか注目される」