小田原の江之浦測候所に行きました。どこか疑うような気持ちがあったのに、吹っ飛びました。殆ど何もかもが素晴らしい。杉本博司氏の写真、結構素通りされていましたが、これこそ所を得たということでしょう、美しかった。
他人様のものなのに、ここは極楽かと思いました。これができる財力はどこから来るのかと不思議に思いつつ、お金は杉本博司氏(小田原文化財団ファウンダー)のような人のところに集まるべきだと思ったことでした。
入館料、一人三千円。駐車場の車の多くは庶民的なものでした。大型のBMWで来た若いカップルは、入場の列で前に並んでいたのですが、場内を疾風のように駆け抜けていなくなったようでした。そういえば、ミュージアムショップもカフェもないストイックさ。
余韻はあまりないけれど、それも良しとしましょう。日が暮れて帰り着くと、満月。ネットを開くとホンダがF1撤退とのニュースが……カーボンニュートラルを実現するために、だとか。エコは結構、でも美や喜びが生まれないなら価値はありません。読書の話にはつなげないで終わることにします。