日別アーカイブ: 2020年4月8日

新型コロナとアメリカのナボコフ

ナボコフ「青白い炎」について、「その本はなぜ面白いのか?」1回分の原稿を書き上げたのですが、出来に満足できず没にしました。これまで、うまくいかない場合でも何度か書き直せばどうにかなったのですが、今回は駄目でした。原因は二つあったと思います。

一つは新型コロナ情報の遮断に失敗したこと。アップデートされ続けるニュースやトピックに圧倒され、一旦のぞき見してしまうと情報の流入を止められなくなります。情報を追いかけている内に、書く集中力が途切れてしまいます(こんな状態では、『女神の肩こり』の自己解説など、はるか未来の夢物語のよう)。

二つ目は、ナボコフに関して「余計な情報」を摂取してしまったことです。具体的には『アメリカのナボコフ』(森慎一郎 慶應義塾出版会 2018年)を読んだために、調子が狂いました。私はナボコフ信者を自称しながら、作家その人については本のカバー裏のプロフィール程度しか知りませんでした。 続きを読む