月別アーカイブ: 2019年7月

耳鳴りとじゃんけん(5)

7月に入ってずっと涼しく、ここ横浜市北部で私が初めて蝉の声を聞いたのはつい数日前でした。そうして分かったのは、私の耳鳴りの音は、蝉の声とはもはや全然似ていないことでした。耳鳴り初年度は、蝉の声と耳鳴りと区別がつかなくて驚いたほどだったのに。今は金属を研磨しているような高音です。

去年どうだったのか、覚えていません。恐らく、先日ブログに耳鳴りのことを書いたために、改めて耳鳴りの音質に注意が向き、蝉の声との違いが意識されたのでしょう。実は、耳鳴りの話の続編を書こうとしているのではありません。耳鳴りから始まった分の悪いじゃんけんが続いているので、(5)とした次第です。

前回、目や頭、腰の痛みが軽くなったので更新したと書きました。ところがアップした直後に全てが復活、その上、長く悩まされていたものの、病院で教えられた体操を続ける内に治まっていた頸椎症による右腕の痛みがぶり返して来ました。 続きを読む

レワニワ図書館に「特別閲覧室」設置

このブログは10日ほど、レワニワ図書館は7月初めから、更新が途絶えていました。6月末以降、眼球と頭の痛み、腰痛が悪化し、かつ長引いて、座り続けること、眼鏡をかけてPCモニターや本と向き合うことが困難な状態でした。

耳鳴りで音楽を聴けなくなった上に本まで読めないんじゃ、人生どうしたらいいのよと途方に暮れていました。ただ症状からすると大した問題じゃなくて、自律神経失調とか老化とか、そういう治療のしようもない病気未満の何かのようでした。一昨日くらいから「症状」が軽くなって来たので、更新を再開します。

図書館に「特別閲覧室」を設置したのは、7月5日のブログに記した「鳥の女王」を掲載する方途を考えた結果です。FlowPaperというワードプレスのプラグインを使っているのですが、これはPDFのテキストがページに埋め込まれるスタイルなので、レワニワ閲覧室にそのまま配置すると画面が大きすぎて邪魔になります。

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耳鳴りとじゃんけん(4)

耳鳴りは、世界的なメジャー製薬会社が新薬開発を断念するくらい治癒が困難で、また死なない病気であることから(自殺したミュージシャンはいるらしい)、医者にかかると、気にしないのが一番と言われてしまいます。気にしないですむなら悩みはしない……!

でも、読書の「真の楽しみ」に目覚め、音楽を聞かなくなった後には、耳鳴り自体は改善されないのに、悩みはほぼ解消しました。そう、耳鳴りが気にならなくなったのです。私が考えるに、お医者さんは耳鳴りを訴える人にこう言うべきなのです。「気にならなくなる時が、いつか来ますよ」

耳鳴りのおかげで良いこともありました。コンサート、CDやダウンロードに費やしていたお金を節約できる! 海外の一流どころのオーケストラのチケット価格といったらもうとんでもない上に、コンサートで感動が得られるかは出た所勝負というハイリスク。音の質はほぼ値段と比例しますが……。 続きを読む

耳鳴りとじゃんけん(3)

耳鳴りの話の続きです。私の期待に反し、耳鳴りの休み時間は拡大ではなく縮小し、一昨年の12月以降、目覚めている間鳴り止むことはなくなりました。このため、まともに音楽を聞けなくなりました。ショックでした。

間の悪い巡り合わせがありました。元はどんなジャンルでも聞いたのに、耳鳴りの数年前から圧倒的にクラシック音楽に傾いていたのです。元々交響楽好きだったのが昂じ、魅入られてのめり込むような状態になっていました。

交響楽は音域、音量の振幅が大きいのが特徴です。数十から百余もの楽器が奏でる音の全てが、完全な静寂から全奏の爆音に至るまでコントロールされた時の凄さ……耳鳴りはこの内、静寂から弱音の部分を台無しにしました。また、私の耳鳴りの音程は高音域に偏り、オーケストラの基盤であるバイオリンの音程と重なります。 続きを読む

レワニワ閲覧室の新蔵書と「鳥の女王」

耳鳴りの話の続きは1回とばして、次の更新で書きます。レワニワ閲覧室に新しく『湯微島の隣りの島』を配架したので、告知したくなりました。6月20日配架の『それ』と同様、連作長編『湯微島訪問記』(新潮社、1990年刊)を構成する短編小説です。

『隣りの島』は、ほぼ単行本版のままです。『それ』は独立した短編にするために変更を加えました。そもそも題名が変わっています(連作中では「湯微島の死体」というタイトルだった)。前者が『訪問記』巻頭、後者が次の作品です。

『湯微島訪問記』はお気に入りの本で、今回独立した短編として読めるものをレワニワ図書館用に「切り出した」わけです。私が気に入っているほどには世間で受けなかったのですが、改めて誰か読んで楽しんでくれたら、というのが私の願いです。どちらも難解だったり、読みにくかったりはしないはず。同時に、誰もが楽しめる作品ではないだろうとも思います。愛も癒しもありません(殺人はちょっとある)。 続きを読む