月別アーカイブ: 2019年9月

旧約聖書の凄さ(1) #52

#52は、「その本は、なぜ面白いのか?」の第52回という意味です。#51から随分長く中断していました。このブログはそもそもこの形で始まったのでした。

旧約聖書を読み続けるうち、とんでもなく凄い本だと思うに至った。これからその凄さについて記すつもりだが、原則的に宗教的な考察は含まない。私はユダヤ教、キリスト教の信者ではなく、別のどんな宗教の信者でもない。宗教を論ずる素養に欠けている。また、前にも旧約のある種の凄みについて触れたが、今回の考察とはほぼ無関係である。私は一冊の本が世界と世界史を作り出したことに衝撃を受けた。そのことを書きたい。

久しぶりの「その本は、なぜ面白いのか?」なので、旧約聖書が面白い本と言えるのか、最初に触れておこう。今回はほとんど退屈しなかった(名前の羅列や神殿建築物の詳細などは斜めに読む)。一方で、読み物として面白いかと問われると、肯定しにくい。旧約は面白く読むことができるが、その面白さは読者の側から働きかけることで得られる種類のものだと思う。

実際、旧約を読む道筋は難路である。整備された道で、美しい景色やスピードのスリルを楽しむようにはいかない。矛盾や不合理の数々、感情移入しにくい登場人物、馴染みのない自然、記述や挿話の繰り返し、一方で断絶も多く……ガタガタ道を、私の持っている版では、2段組2000ページ近くを踏破しなくてはならない。 続きを読む

レワニワ図書館サイト、更新を再開

嵐の前 「蓮池の太公望」というタイトルを考えていたのですが……

9月18日、レワニワ図書館の更新を再開しました。レワニワ瓦版の新記事「米マックロ社、ネット図書館事業から撤退か」です。この先、あまりペースを速めずに更新を続けていこうと思っています。

この記事はネット図書館が当たり前になった未来の出来事を、ニュースの形で記したものです。その頃、レワニワ図書館はネット図書館事業で先行者利益によって世界市場を席捲、IT/ネット事業の巨人マックロソフツもグルグルもアマゾネスも寄せつけません。めでたし、めでたし。

右と左がわからない

嵐の後 台風15号の被害です

左右の区別が苦手な人がいます。小学校低学年では運動会の全体練習で左右の動作を合わせられずに居残り、老齢に至っても眼科の検査で眼球を右、左に動かしてと言われ一瞬どちらか迷ってドキドキする。私のことです。PDFで「ネットブック」を作るのにページの左右の配置が問題とわかり、これは苦手な分野だと心配していました。しかし、本当にやっちまうとは……。

頭には「縦書きの本は右開き」と入っていたのです。じゃあ、前回なぜ左右を逆に書いてしまったのか? PDFを見開きで読めるFlowPaperは横書き向けのアプリです。これを縦書き用にするのに、どうすればいいかと脳内で仮構築、実際に試用してと試行錯誤する内、右と左がどちらの向きなのか段々混乱し始め、やがて「縦書き/右開き」と記憶していたのを、左右が苦手な私は間違って覚えていたのだ、と誤った判断をするに至ったのでした。

上記のように書きつつ、左右の区別が苦手な人には分かってもらえるかもしれないけれど、そうじゃない大多数の人には理解の外、呆れられるだけかなと思います。「左右盲」というネット用語(?)があるそうです。そうした「同志」の書き込みを見ると、知能や運動神経とは関係がないらしく、「左右盲」でも実生活で困ることは少ないというのも共通の認識のようです。聞いた道順を覚えにくかったり、思わぬ時に恥をかいたりするだけです。 続きを読む

名前はあるが、実体はまだない

6月のある日の収穫

最近嬉しいことはあったかなあと考え、しばらくして思いついたのは、借りている菜園で収穫したジャガイモと枝豆がとびきり美味しかったことでした。うーん、何て小っちゃい。しかし、このおいしさの記憶には一切混じり気がなく、注意力散漫で雑念だらけの私にとっては実は希少な経験なのでした。

最近嬉しいことなんて書き出したのは、レワニワ図書館が壁に突き当たっているせいです。難所から抜け出す道が見つからず、つい悲観的な文章になりそうだったので、明るい話題から始めようと。それがジャガイモに枝豆とは我ながら情けない……いや、いや、これは決して悪いことではありません。

突き当たった壁は、身体的な不調とは無関係なのですが、それらが同時に発現したのは偶然ではないと考えそうになります。幾度もあった類似の過去の経験がそう思わせるのです。泣きっ面に蜂……でも、このところ目と頭の痛みが軽くなっています。この幸運を活かし、レワニワ図書館の一コーナーである「ネット図書館について考える」掲載用の文章を綴ることにします。今回のタイトルはこちらの文章に関係しています。近日中に、レワニワの図書館にも掲載します。

追記:下記記事中、右開き・左開きが逆転していたので訂正しました(9月12日)。
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