日別アーカイブ: 2019年10月8日

旧約聖書の凄さ(2) #53

 バビロンへ続く道(渋谷だったかも?)

前回触れたように、旧約聖書を読むのは荒野、砂漠を行く旅に似ている。オフロードの冒険の楽しみは満載だが、癒しや共感といったものは、思いがけず行き着いたオアシスで味わう清水のように希少だ。荒野、砂漠は平坦ではなく、山もあれば谷もある。モーセ五書、歴史書(ヨシュア記等)はまさにアップダウンの連続だ。それに続く文学書(詩編、箴言等)は比較的楽に読めるが、その後には預言書という険しい山道が待ち構えている。

私の読んだ、続編を入れて1900ページ弱の新共同訳、旧約聖書続編付きの版では、1200ページを過ぎた辺りから読みづらさが増す。ここまで来て、まだ難敵がいたのかとガックリ。何が書いてあるのか、頭に入らないことが多くなる。視点が変わったのに気づかなかったり(しょっちゅう変わる)、いつの間にか文字面だけを目で追って意味がわからないままだったり。同じ文章を幾度読み返したことか。

預言書では、預言者はそれぞれ違っても、語られる内容には共通点が多い。王や人々が主との契約を守らず、ヤハウェ以外の神や偶像を崇拝したり、婚姻などで他民族と混じり合ったりしたことで、主の逆鱗に触れる。このため、ヤハウェは他国の強大な武力を用いて彼らを罰する。外国勢力に蹂躙され、多くの人が遠方に拉致されて捕囚となる。しかし主は彼らを見捨てたわけではなく、やがて捕囚から解放されるだろう、とも語られる。大まかには、こんな感じ。 続きを読む